2013年07月15日

今井科学の707ジュニア C級 プラモ

昨日は水中ビークルフリーミーティングに参加して来ました。今回はその時のお話をと思ったのですが、参加メンバーのYDDさんから、昔今井科学から販売されていたサブマリン707の小型潜水艇707ジュニアC級について、面白い話をメールでいただきました。転載の許可をいただきましたので、少し長いですがこちらに掲載します。

その前に707ジュニアって何?という方は、ノボさんの「空想科学潜水艦博物館」の解説記事を御覧ください。

ちなみにRC化した707ジュニアはこんな感じ。これは今回話題となる今井科学製ではありません。


またYDDさんはご自分のサイト「STARFLEET YDD」で、「サブマリン707自動浮沈の考察」という記事を書かれています。こちらも面白いのでぜひご一読ください。

このお話は、昔ラポートから出版されていたサブマリン707の復刻版にある、707ジュニアC級プラモの記事↓がきっかけでした。
junior707 class C_2.pdf

それでは、YDDさんのお話です。

情報ありがとうございます、707シリーズは小学生の時に相当作ったのですが、このジュニアCは実物を見たことが無いので気になっていました。やはり本物はすでに存在しないんでしょうね。

行きつけのプラモ屋のオヤジが子供の頃ジュニアCを池で走らせたら、そのまま沈んでいって戻ってこなかったと言う話をしていたので気になっていました。ジュニアC自体を私は知らなかったんですよ。

説明書を見ていて思いましたが、このサイズのジュニアなら浮力バランス調整もかなりシビアに必要になるはずです。全体浮力とさらには前後のバランスも重要な要素です。当時の電池も何を使うかによってだいぶ変わると思います。
前期型の説明で紙巻き電池の時には重りを追加・・・は私も紙巻き電池は記憶にはなく、当時使っていたのはナショナルの赤か黒でしたので、もしかしたら私の小学生の頃はジュニアCはもう売っていなかったのかなとも思った次第です。
マブチ35モーターというのも記憶にないですし。本当に貴重な情報をいただきありがとうございました。

この組み立て説明図を見ていると、江戸時代のからくり人形を連想させるメカニカルギミックと言う印象ですね、しかも司令塔にライトまで仕込むとは・・・、これは凄いですよ。ここまでこだわるかと。
そう言えばライトが点くの話は模型屋のオヤジも言ってましたね。

ジュニアCの現存品はなくても、それでも設計図を見れたことはとても参考になりました。設計図は後期のものですね。なかなか超絶な設計だったと言うことも理解できましたし、もし今あったらアクアモデラーズのメンバーが競って製作するようなおもしろメカです。そして、この組み立て説明書を見て、なぜ水没して戻らないかという理由もよくわかりました。

私が思うに、多分99%以上のジュニアCが池の餌食になってますね。当時の大人が真剣に作ったとしても、長く遊べるモデルに出来たかは疑問です。このモデルの設計製作段階でどういう実験をやったかも興味があるところです。

当時の整形技術と接着剤、そしてグリスだけではこのドライハルの船体の防水はほぼ不可能であったでしょう。特にキャノピー回りはきれいに作ろうと接着剤の付け方も甘かったはずです。多分ここが最大のポイントになっていたと思います。

潜舵のあたりと、プロペラ回りからの浸水は必須でしょう。元々ここはパッキンがあるので水を出す前提だったのは間違いないでしょう。ネジ止めというのがそれを物語ります。けれども、司令塔回りの防水が完璧で
なければその前提も崩れます。司令塔回りからの浸水は相当短時間で浮力を奪う事になるでしょう。
スイッチ回りは言うに及ばず、電池キャップのパッキンも果たして役に立ったかどうか・・・。

しかもこの設計では上下の重心配分が甘く、下に重さが集中していないのでペラの反力に耐えられそうもないので、ペラ自体の幅が細く反トルクが少なくなるように作られているんだと思います。ですからなおのことキャノピー部分の浮力が反トルクに対して重要になるはずです。

司令塔回りから浸水が始まったときに水が船底まで落ちればいいのですが、(といっても漏水がいいわけないのですが)潜舵調整用のネジが通っているせいで中途半端な浮力タンクになっており、司令塔内に水が残る可能性もあります。

司令塔内に水が残ってこの部分の浮力が減ると反トルクに勝てなくなり傾きだしてしまうと思われます。
そうすると潜舵の効果は斜めになるのでなおさら浮沈せずに潜ったままになり緩やかに曲がりながらすすみ、その最中にさらに浸水が進んで浮力を奪われ確実に沈んでいきます。いわば負の相乗効果です。

さらに言えば、この大きな回転ペラで推力を出しつつ、反トルクを強くしないというのはあまり高回転では無かったのではないかと推測できます。

そうなると速度はそれほど速くないでしょうし、その状態で浮力が強すぎるとダイナミカルダイブとして潜らないので自動浮沈はしなくなります。
となると、適度な浮力という設定が必要になるのですが、このジュニアの場合水に入れたときにキャノピーのガラスの上位置が水面ぎりぎりというのが精一杯ではないかと思います。

さらにペラの径が大きいので、ペラが完全に水没している状態ならそのあたりが合理的です。もしそうだとするならば、あまり全体浮力が大きい状態ではありませんので、少しの浸水ですぐ沈むのもうなずけます。
船体形状や推進方法を考えると、もともとがあまり浮力を強くする設計は出来ないはずです。

水は容赦なくごく僅かな隙間から入り込みます。相当気をつけて組み立てても司令塔のキャノピー回りはかなり難しそうだというのが私が思った印象です。

たぶん、このことがジュニアが水没していく主な原因なのだろうと私は思います。どもみち、相当な知識と経験がないとうまく作れるモデルでは無かったのだと思います。

今ならキャノピー自体透明のボックス状にして浮力タンクにし、あとは浮力材を詰め込む等の手はあるかと思います。それでも多分走行中は反トルクでやや傾いて走ったのではないかと推測されます。

組み立て説明図に基本的な浮力調整の記載がないのもなんだか・・・ではありますけれどもね。
潜水物は事前にお風呂テストや洗面器や水槽などでの確認が必須なんですよ。それをしてから持ち出さなければならないという感覚は当時は無かったですからね。それが多くの悲劇を生んでいたんだとも思います。

潜舵を動かすカムの形状も前期型ではいきなりがくっと上げ舵になる設定のようで、これだとひょこっと上がりますね。速度もさして速くないでしょうからこの方が浮上が早くなり安全策なんでしょう。

ですが、後期にカム形状を変えて上げ下げのスピードをほぼ同じにしたのは、やはり動き自体があまり美しくなかったんだと推測されます。

と言うように前期後期とカム形状を変えて進化させたところをみると、きちんと作れれば、それなりに自動浮沈して遊べたんだろうと思います。きちんと設計者の思惑通り作れれば・・・ですが。

しかし、このジュニアCは相当なこだわりメカだと思います。潜舵の稼働幅自体を絞って、浮沈サイクル自体の変化を調整出来るなどは、なかなか細かく考えられています。

サブマリン707Cのような、アイデアメカではありませんが、正統派からくりメカとしてとても面白いモデルだと思います。

ジュニアCは、是非どこかから復刻版として作ってもらいたいものです。今なら私も遊ぶのに耐えるレベルで作れると思うのですけれども。

しかし、当時の組み立て設計図というのは今みるとあっさりしたものですね。ですが、構造と仕組みはわかりやすく理解しやすいです。今のバンダイのガンプラやヤマトの組み立て説明ではパーツを細分化して組み立てていくので、何がどう絡んで構成されていくかがわかりにくいんですよ。

特に1/350のヤマトなんかはギミックは完成品を仕込みますが、船体構造自体が細分化されすぎていて、今何を作っているのかわからなくなることもしばしばあります。

そういうところでも、時代の違いを感じさせられました。
なかなか貴重な資料ありがとうございました。

-------------
追伸、海人党さんが以前タスクの707にギア式の自動浮沈を組み込んでいたと思います。ただ、結果はあまり芳しくなかったようですが・・・。
海人党さんもすでにタスクの707を3chラジコン化してますからね、その方がホビーとしては合理的です。
私が思うにギア式はあまりいい自動浮沈メカでは無いと思います(´Д`;)

posted by みきぱぱ at 17:26| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | ラジコン潜水艦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
サブマリン707ジュニアのラジコン素晴らしいですね。
それと組み立て説明書も見て非常に懐かしかったです。
よく保管してたと感服します。

当方も確か中学生の頃にCを作りました。
確か500円くらいした記憶が、モーター別売りで。
推進用プロペラがカッコよくて購入しました。
完成して風呂屋に行って走らせたのですがちゃんと
潜水と浮上しましたが接着剤がよくなかったのか
数回走らせたら接着剤が剥がれてそれ以上走らせる事が
できなかったですが、お気に入りのプラモデルでした。

20年位前?にイマイではないところから小さいのが
発売されたので購入して今でも大事に保管しています。
それと、天賞堂からも25年以上前に発売したのを
購入しました、全長30CM強位あり木製の塗装済みで
非常にカッコ良いですよ、モーターで走行させようと
思ったのですが外観を損ねると思い中止にしました。
今でも大事に持っています。
またその当時イマイのエムエムマシンという水陸両用
のプラモデルも作ったのですがこれもよかったです。
Posted by 模型ファン at 2017年05月31日 21:19
模型ファン様
はじめまして、コメントありがとうございます。
私は小学生の頃707Cを組み立てた記憶があります。小学生ゆえモーターライズするところまではできなかったのが悔やまれます。
メーカーの今井科学が潰れてから大分経ったあと、タスクフォースという会社から復刻版が出たのですがこれも絶版に・・・
http://www.interq.or.jp/tokyo/d-force/TASK_FORCE.htm
最近は水遊びできる場所も少なくなりましたので、いわゆる水物メカも自宅の浴槽で遊ぶサイズしかないようで寂しい限りです。
天賞堂で販売されていたのはこちらでしょうか? http://toy.hobidas.com/wing/gallery/character/submarine_707_1144.html
潜水艦メカをラジコン化しちゃうクラブがあります。興味があったらこちらのサイトも覗いてみてください。
アクアモデラーズ
http://aquamodelers.com/
Posted by みきぱぱ at 2017年06月02日 03:10
みきぱぱさん

返信ありがとうございます。
小学生の時なら500円は大金でしたようね。
当方が小学生の時は1ヶ月の小遣いが300円だった記憶が?
高額のプラモデルはお年玉で購入した記憶が。
タスクフォースでした、二台購入しました。

天賞堂ではなく、ウイングクラブでした。
http://wing-club.co.jp/charactor_model/detail/id=233
よくできていて塗装が綺麗です。

模型艦隊シリーズも結構よかったですね。
昔箱買いした記憶が、家のどこかにあります。
707ジュニアが目当てで購入しました。

アクアモデラーズのHP拝見しました。
潜水艦ファンが多いのですね。ビックリしました。
結構いいですね。
Posted by 模型ファン at 2017年06月02日 21:21
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